一部、介護士ができるようになった医療行為

介護が必要な利用者へ介助作業を行うことは、介護士の主な仕事です。介護士の仕事は、着替えや食事、排せつなど生活習慣に基づく行為をサポートする他、口腔ケアなど医療に関する介助作業も介護士の仕事の一部です。介護士がキャリアアップを図るには介助作業を伴う仕事の経験を積むことが何よりも重要なので、長く働くためには資格の取得は無視できない条件と言えます。介護職員初任者研修は、介助作業に欠かせない、介護職の基本とも言える資格です。また、親族からの相談を受け付けるなど、現場以外での仕事にも従事するなら介護福祉士の資格が必要になります。資格ごとに取得の条件が異なりますが、いずれの場合も自身の仕事の重要性を正しく理解し、真摯に取り組む姿勢が求められます。

また、介護の経験を積んで資格を取得する他に、医療面の知識をつけることも有益です。介護士は直接の医療行為はできませんが、知識をつけることで広範囲の仕事をカバーできるようになります。介護士は、体温や血圧などのバイタルチェック、点眼や服薬介助、爪切りといった行為はできます。これらは、以前では医療行為と位置づけられており、介護士ができない業務に含まれていました。しかし、今では介護士もできる医療行為に変更されたため、介護士は幅広い範囲で利用者のケアが行えるようになったのです。ただし、今でも介護士ができない医療行為には、点滴の処置や床ずれの処置などが挙げられます。まだまだ線引はあるため、知識としてしっかり身につけておく必要があります。介護の知識だけに限定せず、医療知識の習得も介護士のスキルアップに結びつくでしょう。